40年前、料理の修業で大阪の小さな旅館にいた。毎日仕事に追い回され必死に働いていた。自分の成人式などとっくに忘れていた正月の朝、たまたま宿泊されていた淡島千景さんに呼ばれた。さては料理のことで何か不手際でもと恐る恐る訪ねるとにこやかな顔で「おめでとさん!!」とご祝儀を頂いた。あの時のうれしさは一生忘れることは出来ない。この仕事をして良かったと思いながら着物姿の淡島さんが光り輝いて見えた。若き日の一番の思い出。どんなに励まされたことか。還暦を迎えた今あの恩を誰かに返したかなと反省する今日このごろです。
指宿市 有村好一(60) 2009/10/29 毎日新聞鹿児島版掲載
指宿市 有村好一(60) 2009/10/29 毎日新聞鹿児島版掲載
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