はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

広い青空

2013-12-07 17:36:02 | はがき随筆
 青空が広がった。それまで庭の木の枝で暗かった。年の瀬になると、S君が来て庭木を剪定してくれる。年に一度の剪定なので、枝も葉も茂って大変だ。
 ハサミ、バリカンでチョキチョキ、ジャージャーと手際よく刈っていく。すごい、速い、速い。バリカンが枝や葉をどんどん飛ばしていく。太陽の恵みでいっぱい茂っていた木だ。人間の身勝手で刈り取られて寂しく、寒くなっただろう。
 「ごめんね」と思いつつ、うれしくなった。S君も満足気に茶をすすっている。青い空に見事な枝ぶりの木が出現して明るくなった。「ありがとう」
  出水市 畠中大喜 2013/12/6 毎日新聞鹿児島版掲載

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1 コメント

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陽が恋しい (広島県 田丸)
2013-12-09 12:57:39
 我が家も 十二月に入って 常緑樹の金木犀と楠 落葉樹の槿 トウ櫨 無花果の剪定をした。お陰で 落ち葉の掃除を しなくて済むようになったし 寒い日には 日向ぼっこをする楽しみを 確保することが出来た。
 今は 椎の木が 黄色から茶色に変わった葉を 頑固に着けているが 木枯らしと寒雨が片付けてくれるだろう。
 更に 明るい空を取り戻すのもまじか。
 猛暑だった今年の夏 日陰を作ってくれてありがとう。来年も よろしくネ。
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