82年間、いろんな形・色の雲を見てきた。今日、電車の窓から、どんよりした雲の切れ目の上に輝く茜色の雲を見た。あ、天空は夕陽に染められている。 隣席のお年寄りも気付かれたらしく「素晴らしいプレゼントですね」と言われた。ふたりして空を見上げ、後方に去りゆく茜雲を見送った。
近ごろは「スマホ」なるものがはやり、若者たちは空を見上げたり風景に眼をやる様子がない。同席していても友達同士めったに会話しない。ただひたすら小さな画面を動かしている。
日本がすこし心配に思えた短い電車の旅であった。
宮崎県延岡市 窪田恵子(82)2018/8/2 毎日新聞鹿児島版掲載
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