散歩道の脇に墓所がある。何気なく中に入ってみると、「昭和19年南洋群島にて戦死32歳」と刻まれた墓碑が目にとまった。南洋群島のどの島で亡くなられたのか。死因は戦闘死、病死、餓死、玉砕それとも……。
遺骨は帰ってきたのか。家族の悲嘆はいかばかり。亡くなった方f
故郷に帰りたかっただろうな⏤⏤。
私は墓碑を見ながらそんなことに思いをはせた。そして手を合わせながら「今の世の中をどう思いますか」と聞いてみた。しかし死者は語らない。頭上でクマゼミが元気良く鳴いていた。
熊本市北区 岡田政雄(71) 2019/8/25 毎日新聞鹿児島版掲載
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