学校から帰ると、我が家のイチゴ畑に先客があった。日ごろ一緒に悪さをするUとMである。
「食らわしてやる」と昨日の友は今日の敵を私は追いかけ、あと一歩で追いつくというその瞬間、Uの手がMの襟首にさっと伸び、Mは引き倒された。Uは私に「Mを食らわせ」と言いもあっけにとられた私は想定外の出来事に対応できず、2人を方面するしかなかった。
成績がいつも最下位だったUは、中学に入るといきなり首席に躍り出た。畑のイチゴが実をつけ始めると、UやMのこと、子供たちが子供時代を急がされなかった頃を思い出す。
伊佐市 清水恒 2013/5/3 毎日新聞鹿児島版掲載
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