子供の頃のお正月で思い出すのは父のこと。元日の朝、お茶に梅干しを入れたものを神棚に供え、父を芯に一年のむ゛じを祈願した。そのお下がりを父、母、三人のあね、末妹の私の順に頂いた。次に、謡曲の鶴亀や猩々を聞く。子供には少々苦痛であった。それが住めば町に待ったお節を頂き、百人一首やトランプに興じた。絵心のあった父は手作りの羽子板に日本髪の美しい女性を描いた。娘ばかりで時に寂しい思いをした父。せめて器量よくうまれていたら慰んだろうに。
鹿児島市 内山陽子 2013/1/26 毎日新聞鹿児島版掲載
鹿児島市 内山陽子 2013/1/26 毎日新聞鹿児島版掲載
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