寄る年波には勝てず、静かにその時を迎えようとしている風にさえ見える。おぼつかない足どりであるくが、その範囲は極く狭く、視力の衰えも目立つ。重湯状のペーストを口の前に運んだスプーンで与えるのだが、思うように飲み込んでくれない。そなん老猫千代美が犬舎に入って眠っている。遼太郎は番犬よろしくその入り口を守る。20年前、たった1回の出産を経験した千代美は不妊手術を受け、食べて野原を駆け回ることを楽しむ猫になった。しかし、1日の大半を寝て過ごす今、遼太郎を自分の息子のように思っているように見えてしまう。
志布志市 若宮庸成 2011/10/6 毎日新聞鹿児島版掲載
志布志市 若宮庸成 2011/10/6 毎日新聞鹿児島版掲載
千代美(チョビ)は亡くなったそうです。
いつか、エッセイに書かれると思いますが、本当に残念でした。
遺された遼太郎はワンちゃんですが、仲良しだったので、しょんぼりしてることでしょう。
犬も猫も大好きなアカショウビンですが、別れの辛さを思うと、自分で飼うことはどうしてもできません。