はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

はがき随筆特集「風」-10

2009-09-21 20:31:44 | はがき随筆
「台風18号の記憶」
 平成11年9月24日未明、最大瞬間風速83.9メートルと認知された台風18号は、強い勢力を保ったまま私の故郷、甑島を暴風域に9時間入れ、直撃した。その時、私と母は家にいた。風圧で弓形に反り、飛ばされそうになる戸を風が収まるまでずっと押さえ続けた。生きた心地がしなかった。
 夜が明けて外に出てみると、我が家も近所の家も瓦ははぎ取られていた。島内の状況が分かってきた。港のボートが山の高さ約120㍍のところまで飛ばされるなど被害甚大であった。
 あれから10年たつが、今もあの記憶が薄らぐことはない。
  鹿児島市 川端清一郎(62)2009/9/21 毎日新聞鹿児島版掲載

最新の画像もっと見る

コメントを投稿