はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

義兄の十八番(おはこ)

2014-11-15 12:50:47 | はがき随筆
 夫が亡くなってから一晩中、ラジオをつけっぱなしで深夜放送を聴いている。昨夜も一眠りして、朝に目が覚めるとフランク永井の特集をやっていた。「そばにいてくれるだけでいい」と甘い低音が心に染み入る。
 夫の兄を思う。義兄は面倒見のいい人だった。両親にも良く尽くし、私たちにまで優しかった。
 大阪時代、我が家でカラオケをしたことがあった。夫の家族は皆、歌がうまいが義兄は特に歌い慣れていて、その夜、歌ったのが「おまえに」だった。仲の良かった夫と義兄の笑顔を思い浮かべながら歌を聞いた。
  霧島市 秋峯いくよ 2014/11/6 毎日新聞鹿児島版掲載

最新の画像もっと見る

コメントを投稿