はがき随筆・鹿児島

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「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

悲しき口笛

2018-08-09 18:03:22 | はがき随筆
 先日テレビで見空ひばりを回顧していた。
 高校生のころ、映画の全盛期、映画館の人たちと懇意になり学校帰りに毎日寄った。初めのうちは看板の建て替えや館内アナウンスなどを手伝っていたが、そのうち映写機の操作を手伝わされるようになった。アーク式の映写機である。小さなのぞき窓からスクリーン見てピント、音声などを調整する。少女時代のひばりの「悲しき口笛」何回も何回も映写した。山高帽、えんび服、ステッキを小脇にあの独特に声音で歌う。
 ひばり、と聞くとあのシーンがよみがえってくるのである。
 鹿児島市 野崎正昭(86)2018/8/9 毎日新聞鹿児島版掲載

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