子供の頃の思い出があふれるから、夏大好き。中でも「うなぎ釣り」の場面は、毎晩のように思い出し、心地よい眠りへと誘う。
夕方、兄と一緒に仕掛けを作り、次の朝、夜明けを待って川へと走る。
「柳の木」に結んだ仕掛けがユサユサと揺れている。ヌメヌメと光る巨体に、思わず後ずさりして兄を呼ぶ。兄は慣れた手付きで、ポイとかごの中へ。
その日の夕食は、炭火で焼いたかば焼き。父がうれしそうに、片手に杯を持ち、うなぎにかぶりつく。その姿こそ私には一番のご馳走だった。
宮崎県日南市 永井ミツ子(70) 2018/8/9 毎日新聞鹿児島版掲載
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