母屋の玄関を開けると甘い香りがフワーッと流れ込んでくる。玄関のすぐ前にある棚に、カミさんが小鉢に株分けしたギンギアナム、その少し右手にはオガタマ、庭の中央ではシンビジウムが存在をアピールしている。花たちの間を通り抜けてくると、香りが迫って来る。
写真を撮ってみた。目で見るのと違い、意外と見栄えがいい。「なんだか豪邸の庭みたいだわね。写真はがきを3枚作ってね」とカミさん。関東の友人への近況報告に使うのだ。
毎年この時期になると、同じように香りを楽しみ、幸せをかみしめている老夫婦である。
鹿児島県西之表市 武田静瞭(82) 2019/5/23 毎日新聞鹿児島版掲載
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