暑さで、へばりそうになる老体を抱えて過ごす日々。
幼い日、父の田舎の川でおぼれかけた。川底の光る小石を拾おうと手を伸ばした途端に、ボコボコと沈んでいった。父が近くにいて助かった。
ちょうどそのころ、友達の雪子ちゃんが病気で死んだ。おはちゃんが「雪子という名前だから暑さでとけたのだろうね。弘子ちゃんはおぼれずにほんとうに良かった。符の良か子だね」と話したのを思い出す。
目が、腕が不自由になった今も私は生きている。弱々しながら、しぶとい。すっかり意地悪ばあさんにもなった。
鹿児島市 馬渡浩子(62) 2010/8/7 毎日新聞鹿児島版掲載
幼い日、父の田舎の川でおぼれかけた。川底の光る小石を拾おうと手を伸ばした途端に、ボコボコと沈んでいった。父が近くにいて助かった。
ちょうどそのころ、友達の雪子ちゃんが病気で死んだ。おはちゃんが「雪子という名前だから暑さでとけたのだろうね。弘子ちゃんはおぼれずにほんとうに良かった。符の良か子だね」と話したのを思い出す。
目が、腕が不自由になった今も私は生きている。弱々しながら、しぶとい。すっかり意地悪ばあさんにもなった。
鹿児島市 馬渡浩子(62) 2010/8/7 毎日新聞鹿児島版掲載
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます