はがき随筆・鹿児島

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「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

祖母とお手玉

2010-08-08 22:32:39 | はがき随筆
 押し入れを整理していると、和風柄の布生地があった。幼少時、祖母から教わったお手玉を試作する。昔を思い返し、早速畳に布を広げた。長方形に裁ち、二つ折りにする。脇の部分を運針する。頭の部分と底の部分は縁を描くように縫う。
 頭と底の糸を引き絞る。型は袋になる。中には小豆を詰める。小豆が外に出ないように細く縫うこと。祖母に教わった可愛げな、愛らしい、懐かしいお手玉が出来上がった。童心に帰った心地。祖母は穏和でお手本のような人だった。お手玉遊びをすると、祖母の笑顔が浮かんで来る。96歳の生涯を全うした。
  鹿屋市 堀美代子(65) 2010/8/8 毎日新聞鹿児島版掲載

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