今年の花見は素晴らしかった。桜は満開で、みんなで歌っていた空は青いシートに反映して深く澄み切っていた。
しかし、その宴は4日とは続かなかった。雨はしとしとと花をぬらす。それでも花は枝の先にしがみついていた。桜は危機を感じ取っていた。これじゃあ十分に受粉ができない。虫が来てくれないのだ。今年の啓蟄の日はまだ寒くて、虫たちは地中から出るに出られなかった。
4月に入り、桜の木の上では緑の新芽とピンクの花のせめぎ合いが始まった。私は雨傘をつえに桜を見上げて呼びかけた。「もういいよ、もういいよ」
鹿児島市 野幸祐 2015/4/26 毎日新聞鹿児島版掲載
しかし、その宴は4日とは続かなかった。雨はしとしとと花をぬらす。それでも花は枝の先にしがみついていた。桜は危機を感じ取っていた。これじゃあ十分に受粉ができない。虫が来てくれないのだ。今年の啓蟄の日はまだ寒くて、虫たちは地中から出るに出られなかった。
4月に入り、桜の木の上では緑の新芽とピンクの花のせめぎ合いが始まった。私は雨傘をつえに桜を見上げて呼びかけた。「もういいよ、もういいよ」
鹿児島市 野幸祐 2015/4/26 毎日新聞鹿児島版掲載
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