窓越しに差し込む柔らかい朝日の中に早参りの方々の線香の香りと、真新しい納骨堂の香りが折り混ざり、厳かに優しく包んでくる。古稀を迎えてかねてから念願であった納骨堂を買い求めることができ、娘夫婦と家族に披露して、来世の新居の合鍵をそれぞれに渡す約束の日。「いろいろと、お世話になります。よろしくお願いします」と、深々と頭を下げる。婿、娘、一同に複雑にして困惑な憂いの空気が流れるのを感じる。そうして、新たに家族の絆と世渡しの1㌻を現実として心から会得したような一日だった。
鹿児島市宮之浦 春田和美(70) 2006/6/8 掲載
鹿児島市宮之浦 春田和美(70) 2006/6/8 掲載
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