はがき随筆・鹿児島

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「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

山芋を掘る

2008-01-24 11:14:54 | はがき随筆
 山芋堀に樋之谷へ。この時期の山芋のつるは30㌢ほどの間隔で、枯れてばらばらに落下している。
 Yさんは「ここにつる端が落ちてると次のつるはこの辺にありそうなものじゃが。隠れていないで返事しろ。全く苦労かけやがっておれの息子みたいじゃな。うん、根元を見つけたぞ。ひょっとしておれって天才かも」と30分もこの調子である。
 焼酎を飲み、どうでもいいことでくだくだと他人に絡む飲んべえを鹿児島では「山芋を掘る」と言う。Yさんに同行して、そのいわれに納得。彼は、山の芋は掘るが、山芋は掘らない。
   出水市 道田道範(58) 2008/1/23 毎日新聞鹿児島版掲載

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