ああ、あたたかくなってきた。ようし芽を出すぞ。道ばたで、あき地で、畑で、あちこちで芽を出す。人間には、雑草と呼ばれている。
時には道行く人が、その花をながめ、きれいだねえと言う。そんなときは、いえいえそれほどでもと、少しうれしい。
時には、わあ草だらけと、いみ嫌われて、引っこ抜かれる。そんなときは、ようし負けないぞと思う。
そうしてまた、あたたかくなると、芽を出す。踏まれても踏まれても立ち上がる。強くてたくましい。ぼくは、雑草。人間と共に生きていく。
出水市 山岡淳子 2015/5/22 毎日新聞鹿児島版掲載
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