はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

はがき随筆10月度

2019-11-16 20:29:53 | はがき随筆
月間賞に梅田さん(宮崎)
佳作は増永さん(熊本)、中鶴さん(鹿児島)、逢坂さん(宮崎)

はがき随筆10月度受賞者は次の皆さんでした。(敬称略)

【月間賞】11日「虹の宝物」梅田浩之=宮崎県日向市

【佳作】31日「孫、ひ孫世代に」増永陽=熊本市中央区
▽31日「樹木希林さん」中鶴裕子=鹿児島県鹿屋市
▽17日「母を思う」逢坂鶴子=宮崎県延岡市

 街角には年賀状発売のチラシやおせちの申し込みの文字を見かける季節になりました。
 さて、梅田さんの「虹の宝物」。この作者の文章には豊かな感性を感じます。「視界に虹が飛び込んできたのは、右カーブを曲がった時だった」の表現で読者も同時に、その景色が見え、「『虹の根元には宝物がある』という伝説を思い出し」、虹に向かって車を走らせた。虹が消えた辺りの校庭には雨に濡れて、キラキラと日差しをはじきながらはしゃいでいる子どもの姿。この光景を宝物ととらえた作者の心ばえ。簡潔な文章になんともいえない清潔感が感じられて梅田さんのこれからが楽しみです。
 増永さんは、16歳の少女グレタさんの国連でのスピーチを紹介し、これからの地球環境を案じておられます。ほとんどの方が膝を打ちつつ読まれたことと思います。大切なことを取り上げて下さいました。
 中鶴さんの文章は「樹木希林さん」の素敵な生き方に感動した思いが読者にひしひしと伝わってくる力がありました。樹木さんの遺された言葉は多くの人に感動を与え今もその生きざまは人の心をとらえて離しません。
 逢坂さんの「母を思う」。母と娘の優しい愛情が綴られ胸の奥がキュンとなる内容でした。人は男女を問わず幾つになっても母は永遠の思い人。心の温まる作品でした。
 他に、関友里恵さんの「新たなスタート」、里形有希さんの「覚えているよ」には若い力がみなぎり、北窓和代さんの「万物共有語」は、森羅万象全てが呼応している不思議を再認識します。塩田きぬ子さんの「ごめんなさい」も心に残りました。
 朝夕が冷え込んで参りました。皆さまお体を大切に。
 みやざきエッセイスト・クラブ会員 戸田敦子

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