はがき随筆・鹿児島

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「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

父をしのんで

2021-10-24 23:21:15 | はがき随筆
 暑さが和らいで日々涼しくなってきた。昔から私は初秋が苦手である。毎年たまらなく物悲しく、人恋しくなる。
 昨年12月、父が96歳でこの世を去った。母は既に亡く、寂しい今秋である。最近、長年音信不通だった従姉妹と文通が始まった。父が残した古い写真を送ったのがきっかけである。思い出を共有できるのは何ともうれしい。電話やメールもあるが、やはり2人とも手紙世代。近況報告などをして楽しんでいる。
 父は筆まめだった。私は父の遺伝子を受け継いだ。一周忌を前に「忘れるな」と父が私に言っているようである。
 宮崎市 小金丸潤子(71) 2021.10.23 毎日新聞鹿児島版掲載

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