傘をさして3人横に並ぶと道幅いっばいになる裏通り。黄色いカバーのランドセルで登校中の男児は、静音の乗用車が後ろから近づいても気づかない。歩みに合わせて車はゆっくりついていく。
気づいた男児は、道幅によけて車を通させながら、車に向け、ぺこっと頭を下げた。その仕草から「気づかずにすみません」、そんな素直な気持ちを感じた。車を運転する人からも、子どもへの優しい心遣いと運転マナーの良さなどが感じられた。
誰に教えられたんだろうと思いながら男児を見送った。しとしと雨のうっとうしさを忘れていた。
岩国市 片山清勝(81) 2022.7.9 山口県版はがき随筆掲載
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