正月を迎え、門松、松竹梅が飾られた。いにしえの正月はたこあげ、こま回し、羽根つき、まりつきと幼心を揺さぶった。男児は寒空の下でたこ揚げに興じた。女児はみやびな装いで、羽根つきやまりつき。かっぽりは高い音色が響いた。母は七輪や火鉢の炭に火をおこし、網で餅を焼く。餅は丸くふくれあがり餅の匂いが漂う。私は竹馬に挑んだ。難しくてなじめなく、右左と前後に倒れた。膝をすりむいて血がにじんだ。人の生涯も「七転び八起き」と竹馬の習性を感じた。“新年の夢を抱こう”。吾輩は「申」で「言わ申、見申、聞か申」……。
姶良市 堀美代子 2016/1/29 毎日新聞鹿児島版掲載
姶良市 堀美代子 2016/1/29 毎日新聞鹿児島版掲載
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます