はがき随筆・鹿児島

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「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

同じ歌でも

2012-10-02 21:52:08 | はがき随筆
 「若き日早や夢とすぎ 我が友皆世を去りて」とフォスターのオールド・ブラック・ジョーを歌うと、中学2年時の授業で「心をこめて歌いましょう」と指導されたことを思い出す。 将来の夢に向かって助走し始めたばかりの頃、老いる日は遠すぎてただぼんやりしていた。
 40代半ばで大病を患い、不自由になった体の機嫌をとりとり、叱咤激励しつつ過ごしてきて、もうすぐ65歳になる。
 同じ歌なのに年とともに自分にフィットしてきた。
 特に心をこめようと思わなくとも、しみじみと歌えるようになった。
  鹿児島市 馬渡浩子 2012/9/26 毎日新聞鹿児島版掲載

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