はがき随筆・鹿児島

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「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

山笑う

2016-04-17 07:06:21 | はがき随筆


 宮崎の秘境、西米良村に山登りのため訪れた。国道沿いに植えられたミツマタが花盛りであった。登山口周辺には山桜が満開であり「春よ来い」の歌のごとく、風に吹かれて散るさまも乙であり、落ちた花びらを避けて登る客人も乙である。山の中腹からはマンサクの花も咲いていた。春にまず一番に咲くことからこのネーミングが付いたといわれるが、4枚の花びらはリボンのようで可愛い乙女のように恥ずかしげに咲いていた。ベニバナトキワマンサクの赤に比べてそこはかとない黄色の花びらのマンサクに心残りをしながらの下山になった。
  鹿児島市 下内幸一 2016/4/17 毎日新聞鹿児島版掲載

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2 コメント

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Unknown (日向のぼか)
2016-04-19 04:51:18
「秘境」西米良村ですか?
ま、「へき地」じゃなくてよかった(笑)
「坊っちゃん」に猿と人が半々って書かれた延岡もありますよ。
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べニマンサク (広島県 田丸)
2016-04-30 21:37:10
 マンサクは黄色の花が美しいですね。早春、山登りをする人達の目を楽しませることと思います。


 私にとって身近なのはべニマンサクです。秋の紅葉が大変きれいで、陽の光に透かして見るのがコツです。花は暗紅色で小さく、とても美しいとは言えません。匂いも、心地よいものではありません。


 べニマンサクは昭和十二年に広島県の天然記念物に指定されたそうです。広島県以外では長野・岐阜・高知県に分布しているそうです。二十数年前、出張先の可児市で偶然、切り花用としてたくさんのべニマンサクが栽培されているのを発見しました。葉が青くても、切って水揚げしておくと紅く色づき、生け花用として高値がつくそうです。そのため、広島県では討伐されることも有ります。


 私も、一株べニマンサクの鉢植えを持っています。盗掘したものではありません。地元の中学校長が、種を一冬冷蔵庫で保管しておいたものを播いて発芽させたものです。生物専攻の知識が功を奏したのです。それまで発芽しなかった原因は、アシナガコバチが卵を産み付けていたからだと後日発見されたそうです。


 因みに、山間(標高四百メートル)のべニマンサクは紅葉しますが、庭では、美しい紅葉は見れません。若葉のとき全部もぎ取って再び発芽したものは、ある程度紅葉するとか。でも葉をむしり取る気にはなりません。

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