「泰山木(大山木)モクレン科の常緑高木、高さ10㍍以上になる。初夏枝先に強い芳香のある白い大輪の花が咲く」と辞書にある。この花を知る人は少ない。高い木の上で空に向かって咲くため、地上からはわかりにくい。
初夏になると会いに行っていた。去年、知人の庭にあるとのことで〝懇願〟し、今年も届けて下さった。ゆっくりと大輪の花びらが開いていく。息をひそめてみつめる。大輪の花もミゴトだけど、私は、この花の香りに魅せられている。今日一日、部屋中香りに満たされ、私は私服の世界に入っていく。
鹿児島市 永野町子 2015/7/15 毎日新聞鹿児島版掲載
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