形見のサンショウの新芽が伸びる4月だった。「つくだ煮を作るから、葉を摘んどって」と出かける間際の妻が言う。
私は、母が残した庭のサンショウの若葉を摘み、ツーンと香る葉を袋に入れ彼女を待った。
妻は帰宅後、サンショウの葉をフライパンでいりながら「長く入院したお母さんの残したサンショウのつくだ煮は半年たっても腐らなかったの。だから私も作り始めたのよ」と母のつくだ煮を思い出すように話した。
翌朝の、ミリンしょうゆを加え工夫した妻のつくだ煮は、どこか母の味を思い出させる、甘辛く、懐かしい味だった。
出水市 小村 忍(68) 2009/6/9 毎日新聞鹿児島版掲載
私は、母が残した庭のサンショウの若葉を摘み、ツーンと香る葉を袋に入れ彼女を待った。
妻は帰宅後、サンショウの葉をフライパンでいりながら「長く入院したお母さんの残したサンショウのつくだ煮は半年たっても腐らなかったの。だから私も作り始めたのよ」と母のつくだ煮を思い出すように話した。
翌朝の、ミリンしょうゆを加え工夫した妻のつくだ煮は、どこか母の味を思い出させる、甘辛く、懐かしい味だった。
出水市 小村 忍(68) 2009/6/9 毎日新聞鹿児島版掲載
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