はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

五歳の知恵

2009-06-15 22:37:57 | はがき随筆
 太平洋戦争末期の昭和19年、私の弟はI歳で、母の背におんぶされていた。出会った人が「男の子ですね。この子はレイテの花ですよ。立派に育てて下さい」と言われた。
 ある日、母が5歳の私に、おもりをたのんで外出した。
 心やすく預かったのですが、やがて空腹のため泣き出した。困り果てた私は、とっさに自分の右親指を弟の□に含めた。すると吸いつくように飲み始め、乳も出ないのにやがて泣き声はおさまりました。
 64歳になった弟に話すと嫁や娘、他の人まで大爆笑です。弟よ、元気で長生きして下さい。
  肝付町 鳥取部京子(69) 2009/5/8 毎日新聞鹿児島版掲載



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