「お母さんは無邪気でいいね」。師走のある日、娘に言われて、ちょっと複雑。親しい方との別れの時は声を出して泣きじゃくり、親切を受けると、とびっきりの喜びを感じる。
それでも世帯主としてのいろいろな心配事や苦しみも抱えている。苦しみが強いときほど歌を口ずさむ。苦労の多かった母の口癖だった。「泣くよりか歌おうよ」が身に染みている。
赤いサンダルや娘のお下がりの赤いセーターを着るとルンルンになる。白髪のまとめ髪に合いそうなサンゴの髪留めがほしいのだけれど、これは夢のまた夢。5月には90歳。
熊本市東区 黒田あや子(89) 2020.1.8 毎日新聞鹿児島版掲載
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