突然、弟が逝ってしまって、36年の歳月が過ぎてしまった。この時期になると、いろんなことが思い出され、胸が苦しくなってくる。亡くなる2日前にやってきて、大好きなトンカツをおいしそうに食べて「あー疲れた」と言い、その場に寝てしまった弟の顔は疲れ切っていて、とても起こすことができなかった。朝方「ありがとう」と帰っていった姿が最後だった。
21歳、あまりにも早い一生だった。なににそんなに疲れていたのか、今となってみれば知ることもできない。ただ、トンカツを食べているときの満足げな顔は彼そのものだった。
鹿児島県霧島市 上野京子(63) 2019/7/14 毎日新聞鹿児島版掲載
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