内玄関に置いた月下美人の鉢、夕食をすませた頃、開花して家中に芳香が漂う。35年前、父が健在な頃にもらった一茎の月下美人が株を増し、毎年5月になると次々と真っ白の花が咲く。先日、数多くのつぼみの中にひときわ萼の赤いつぼみを見た。今夜は開くかもと夕食の片付けも早々に鉢の傍らに寄ったとき、つぼみの先がぽっとゆるんだと思った瞬間、芳香を放ちながら開いていった。みずみずしい花の見事さに我を忘れた。毎年真っ白に咲く鉢に、深紅の花。不思議なことだ。来年は白、赤どちらが咲くかしら。仏壇の父に今日の報告をした。
鹿児島県出水市 年神貞子(83) 2019/7/18 毎日新聞鹿児島版掲載
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