はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

ある夏の日に

2011-10-16 21:52:16 | はがき随筆
 ありふれた花たちを愛でて家族で育てている。多くの昆虫が寄ってくれる。チョウ、ガ、アブ、ハチなどの仲間たちだ。小さな訪問者たちは音もなく飛び回りお互いの争いはない。人に対しても恐れる様子はない。
 クロアゲハは、くもの巣いっぱいの竹林をよく飛び回り庭にも飛来する不思議なチョウだ。
 トンボは気がかりだ。アキアカネは群れで見るけれど他の種は久しく見ない。
 ある夏の日、頭上にくるりと舞うのがいる。思わず剪定の手を止めるとシオカラが親指に羽根を休めてくれた。「おお、よう来た」「夢じゃないよね」
  出水市 松尾繁 2011/10/16 毎日新聞鹿児島版掲載

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