はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

春の別れ

2011-04-25 18:35:45 | はがき随筆
 ウオーキングを兼ねて2.3日おきに片道2㌔歩き母を見舞うのが数年来の日課でした。その母が逝ってしまい身も心も寂しさになえていきます。行年109歳、万107歳でした。最期まで意識はしっかりしていて、介護士さんや見舞客に感謝の言葉を細ってゆく声で返していました。
 父が招集されて戦死した戦中戦後を女手一つで一生懸命育ててくれた母。死ぬ瞬間までも私は守られていたのです。死後も守ってくれることでしょう。有り難い、有り難い母でした。
 火葬場への道は桜が満開。母をたたえているようでした。
  霧島市 秋峯いくよ 2011/4/25 毎日新聞鹿児島版掲載

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