毎日数回、境内にある手水鉢に早朝から来て、ジージーとさえずりながら水浴びをするヤマガラは、いかにも涼しげだ。
夏の昼下がり、うだる暑さをかきたてるアブラゼミの鳴き声は遠くなり、夕方には虫たちの声がにぎやかになってきた。
この季節になると、「秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる」と口ずさんでしまう。気温35度以上の猛暑日が続いた今夏も、いつの間にか秋の気配を肌で感じるようになった。ああ! この風を「極楽の余り風」というのかな。生かされている老夫婦に至福の一時を味わわせてくれる。
志布志市 一木法明 2014/10/4 毎日新聞鹿児島版掲載
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