はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

とべるといいね

2007-08-09 10:35:44 | はがき随筆
 けさ台所から外へ出ると、踏み石に何かしがみついている。近寄ると、セミが脱皮中だった。涼しいうちにと出てきたらしい。頭部を脱いで「片手」を出し、その手でしがみついている。
 セミの脱皮は、チョウより長くかかる。朝の散歩へ出て、帰ってもまだ同じ状態である。がんばって、がんばってと応援しているうち、手が放れてころげ落ちた。そっと拾って桃の幹へ移す。10時になっても、がんばっていた。
 午後、孫のところへ持っていくと、ちょっと手伝って殻を脱がせ「羽が小さいよ」と図鑑で調べ始めた。
   鹿児島市 東郷久子(72) 2007/8/9 毎日新聞鹿児島版掲載
写真はWisteriaさんからお借りしました。

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