人類皆マスクの新時代。いまや思い思いの色柄マスクは当たり前になった。
店頭からマスクが消えた頃、まだ多くの職場では白いマスク着用が主流だった。だが既に白いガーゼ地は手に入らず、嫁の腹帯で息子のマスクを作ることにした。
以前嫁は、「もう子どもはふたりでいい」と言ってはいたが鶴亀や犬の刻印を見るとハサミを入れるのは後ろめたかった。二つの命を支えて守り、育んでくれた大切な岩田帯だ。嫁も複雑な思いがあったろう。
今、腹帯は形を変えて再び息子家族を守ってくれている。
宮崎県延岡市 楠田美穂子(63) 2020/7/15 毎日新聞鹿児島版掲載
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