私に見て! と言わんばかりに「かわいい山査子の赤い花が咲いている」と、妻が言う。
近づくと、小さなバラに似た桃紅色の花が咲いている。花は可愛く綺麗だった。だが、私は「山査子」という言葉が、どこか記憶にあり気になった。
さっそく「日本愛唱歌集」のページをめくる。あった! 「この道」(北原白秋作詞)の詞に。すぐ「この道」の歌のCDを聴いた。聴きながら私たち2人が歩いてきた道を思った。
妻が咲かせた山査子の花は、今までの2人の平凡な道を振り返らせ、今後も平和な道を歩けるように、と願わせた。
出水市 小村忍 2012/6/14 毎日新聞鹿児島版掲載
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます