ラジオからカントリーミュージックが流れてきた。私は懐かしさでいっぱいになった。
学生時代、我が家にカントリーを持ち込んだのは亡き弟だった。バンジョーも共に連れてきた。その日からレコードと弟の弾くバンジョーが鳴り響いた。特に忘れられない曲は「コットンフィールズ」だ。上手に弾けるよう背を丸めながら何度も練習した。弟の熱心さに影響され私もいつしか口ずさんでいた。
当時、チャカチャカなるバンジョーを騒がしくさえ思ったが、今聴くと何と哀愁をおびていることか。弟の姿を思い出しながら、しみじみと聴き入った。
宮崎市 堀柾子(74) 2019/8/22 毎日新聞鹿児島版掲載
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