「ワラスボも金。睦美ちゃんにとっては宝物」と孫の遊び散らかしたものを大切にしてくれていた母。ひん曲がった折り紙、ちびたクレヨン、チラシの裏に書きなぐった宇宙人さながらの自画像、幼子の目に映った草や木や花や小鳥や犬や猫。
〝取っておき魔〟の母の遺品をエイヤッと焼きながら、数枚を抜き出してコピーした。特製の便せんの出来上がり。母の残してくれた愛の形である。
とっくに自立、めったに里帰りしない娘にせっせと手紙を書いた。照れくさいのか、娘は便せんのコピーの絵には、知らんぷりを決め込んだ。
鹿屋市 伊地知咲子(71) 2007/12/30 毎日新聞鹿児島版掲載
〝取っておき魔〟の母の遺品をエイヤッと焼きながら、数枚を抜き出してコピーした。特製の便せんの出来上がり。母の残してくれた愛の形である。
とっくに自立、めったに里帰りしない娘にせっせと手紙を書いた。照れくさいのか、娘は便せんのコピーの絵には、知らんぷりを決め込んだ。
鹿屋市 伊地知咲子(71) 2007/12/30 毎日新聞鹿児島版掲載
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