投稿歌集を読んでいて、次の短歌を一読するや、私はどうにも形容しがたい気持に襲われ、歌集を閉じた。
<死に近く視力薄れし子が言えり「お母さんの顔が見えない、お目目を拭いて」>
私は小心者である。小児病棟に小児がん、3歳ほどの男の子、若いお母さん……。それらのものが一気にあふれ、いたたまれなく、やるせない。14年前の投稿歌である。男の子はもうこの世にいないだろうか。そして男の子のお母さんは、どんなふうに今を生きているであろうか……。何もできない。ただただ私は無力感にどっぷりつかる。
霧島市 久野茂樹 2012/8/12 毎日新聞鹿児島版掲載
<死に近く視力薄れし子が言えり「お母さんの顔が見えない、お目目を拭いて」>
私は小心者である。小児病棟に小児がん、3歳ほどの男の子、若いお母さん……。それらのものが一気にあふれ、いたたまれなく、やるせない。14年前の投稿歌である。男の子はもうこの世にいないだろうか。そして男の子のお母さんは、どんなふうに今を生きているであろうか……。何もできない。ただただ私は無力感にどっぷりつかる。
霧島市 久野茂樹 2012/8/12 毎日新聞鹿児島版掲載
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます