はがき随筆・鹿児島

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「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

疎開児童だった

2013-07-04 15:15:55 | はがき随筆
 友、遠方より来たる。うれしいではないか。遠い日の記憶を共にする同窓生だ。
 2人の話は台湾・台北市での様子に始まり、学童疎開、草山へと移った。戦災を避けての集団疎開地、草山は、しかし私たちには戦場のようだった。
 玄米をそれぞれの瓶でついた食では腹下しが止まらず、防空壕もよく掘れなかった。下痢がばれると即禁食なので、私たちは隠れて下着を洗った。できものやシラミにも悩んだ。
 劇の練習は何とか楽しかった。そういえば兵隊さんから逆に慰問を受け、女性役に驚いた。
 あれから68年生きてきた。
  出水市 松尾繁 2013/6/29 毎日新聞鹿児島版掲載

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