亡き母が好きだから、と持って来てくれたボケの花。赤、桃白交じりの3本。お正月明け私は胃が痛み、庭に出た。ボケを見ると花芽に紅色がうっすらのぞく。今年も開く準備をしている。うれしくなり痛みも忘れた。しばし母をしのぶ。
亡くなって15年の母。生け花の免状も持ち、お花全般を好んだ。その中でどうして地味でトゲも鋭いこの花なのか。最近無性に聞きたくなった。向こうには、父、姉、2年前から弟もいる。思い始めると黄泉の国へ行って昭和の家族が集まるもいいか、と。でも、生きていかなくちゃね。もうボケも満開。
鹿児島県いちき串木野市 奥吉志代子(71) 2020/4/1 毎日新聞鹿児島版掲載
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