寝たきりになった母は、物忘れがひどくなってきた。
誕生祝いの色紙を見て「私は94歳になったの?」と聞く。カーネーションの赤い色は分かるが、花の名前は出てこない。
冬に「スイカを食べたい」と言っては困らせ、「背中をかいて」と甘えていたのが、今は頼みごとは少なく気力も無い。それでも私や、世話をしてくれるヘルパーさんに「ありがとう」と言う。感謝の心がうれしい。
「また来るからね」と言う私に「もう帰るのかい……」とつぶやく母。息子の名を忘れず、一日でも長く生きて!と願い、介護ホームを後にする。
出水市 清田文雄(68) 毎日新聞鹿児島版掲載
誕生祝いの色紙を見て「私は94歳になったの?」と聞く。カーネーションの赤い色は分かるが、花の名前は出てこない。
冬に「スイカを食べたい」と言っては困らせ、「背中をかいて」と甘えていたのが、今は頼みごとは少なく気力も無い。それでも私や、世話をしてくれるヘルパーさんに「ありがとう」と言う。感謝の心がうれしい。
「また来るからね」と言う私に「もう帰るのかい……」とつぶやく母。息子の名を忘れず、一日でも長く生きて!と願い、介護ホームを後にする。
出水市 清田文雄(68) 毎日新聞鹿児島版掲載
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