ある日、奥歯の詰め物が取れて近所の歯科医院へ行きました。歯科助手さんに口の中を見せました。
その時、彼女の目が一瞬笑ったような気がしました。私は診察台の鏡に映る自分の顔を確認しました。そこにはしょぼくれた顔の鼻から白毛の鼻毛が数本見えていました。
私は若い頃から「名も無く貧しいけれど美しく」生きるということを信条としておりました。白毛の鼻毛をひとさまに見せるなんてとても許せるものではありません。
その日の出来事は私の人生の大きな汚点となりました。
宮崎県日南市 宮田隆雄(69) 2021/1/23 毎日新聞鹿児島版掲載
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