はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

私のお花見

2018-05-02 11:04:11 | はがき随筆


 今年の花の季節は例年になく晴天続きでお花見気分を満喫している。今年「十月桜」の苗木を植樹した。春と秋の2度咲くという。1㍍ほどの細い苗木だ。折しも連日の催花雨でほどよく活着し二重咲きの可愛い花が咲いてくれた。愛しくて日に何度も眺めて「ありがとう」と声をかける。その横には山桜が優しくそよいでいる。裏庭のソメイヨシノは軒を越し、少し遅れて咲いた。無心に見上げているとふと西行法師の「願わくは花の下にて春死なん その如月の望月の頃」が思い浮かんだ。西行の心をしのびつつ、いにしえから咲き継ぐ桜を思う。
  熊本県荒尾市 平田清子  2018/5/1 毎日新聞鹿児島版掲載

最新の画像もっと見る

コメントを投稿