東洋医学の実践的理論研究~人間が病むということの過程的構造からの東洋医学的治療論の研究~

人間が病むということの過程的像から、鍼灸等の問題を説いてみたいと思います。よろしくお願いいたします。

鍼灸問答(5-2/3)〜脈診と認識論〜

2019-04-14 23:57:59 | 鍼灸問答
 生徒)大先生!脈診って何なんですか?中先生にお聞きすると、脈診による施術に効果があることが脈診の正しさの証明。と言われたのですが......確かに効果がある以上、正しいのだと言われれば、否定できないようにも思われるのですが......とはいっても、橈骨動脈の拍動を左右の手首で六つに分けてその拍動を比較して六蔵六腑の虚実=人間の身体の状態の様々なことがわかると言われると、どうしても納得いかないのですが......どう考えればいいのでしょうか?

 大先生)脈診の問題は認識論抜きでは難しいねえ(笑)現代の常識で考えればありえないことがあるというのだから、なおかつ効果があるのだから正しいと言われれば否定できないようにも思えるしね。
 これが西洋医学的な知識が一般的でなかった時代、例えば江戸時代であれば話は単純で、脈診ができるように必死の努力を積んで、成功と失敗とを重ねていくうちに次第次第に脈診ができるようになっていって、めでたしめでたしなんだけど。

 生徒)大先生、それって脈診は正しいってことなんですか!?

 大先生)脈診が正しいなんてことは一言もいっとらんよ、私は。脈診というものを信じて真面目に修得に努めれば、脈診と言われていることができるようになっていくんだろうなあ、と言ってるだけだよ。

 生徒)???

 大先生)(笑)

 生徒)言われていることがわからないのですが......。

 大先生)そうか、分からんだろうなあ......結論から言えば、脈診というものは、サル以下の動物には出来なくて、人間だから出来ること、もっと言えば人間だけが持つ認識があって始めて可能となる技なんだけれども......といっても、分からないよねえ。
 別の言いかたをすれば、脈診というものは実体としてはありえないことだけれども、観念としてはありえるということなんだけれども......ますます分からないよね。(笑)

 生徒)はい、何のことを言われているのかさっぱり......。

 大先生)人間の認識というものが問いかけ的反映であって、単なる一方的な反映ではないということが分かれば、脈診というものの正体も分かってもらえるとはおもうが......それにはそもそも認識とはなにかということを原点から説かねばならないだろうから、また改めてにしよう。いや、なかなか良い質問だったよ。君はよく勉強しているねえ。(汗)

 生徒)......。
 
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