脈診の問題は、その困難性は、端的には二重性を持つものを一重のものとしてしまっている、してしまうことにある。
そしてそれが観念の世界の問題であるだけに、説かれる側には分からない、分かりようがないし、のみならず説く側にも分かっていない、わかる実力がない、ということなのだと思える。
これは、東洋医学の諸々の問題の困難性についても、多くは全く同じ構造を持つものであると思える。それだけに論理的実力の . . . 本文を読む
(大先生の説く脈診の原点)
生徒)大先生、今お時間よろしいでしょうか?
大先生)ふむ。君か。脈診って何かって質問だったよね。
生徒)あと脈診って正しいのかってこともお聞きしたいです。
大先生)わかった。何から話せばいいか......。脈診にも脈状診と脈差診の二種類あるのはわかっているね。そして、脈差診にも二種類あって、三部九候診のように離れた場所の脈状を比較するものと六部定位診のように、手 . . . 本文を読む
生徒)大先生!脈診って何なんですか?中先生にお聞きすると、脈診による施術に効果があることが脈診の正しさの証明。と言われたのですが......確かに効果がある以上、正しいのだと言われれば、否定できないようにも思われるのですが......とはいっても、橈骨動脈の拍動を左右の手首で六つに分けてその拍動を比較して六蔵六腑の虚実=人間の身体の状態の様々なことがわかると言われると、どうしても納得いかないので . . . 本文を読む
(脈診とはなにかについての生徒と中先生との対話)
生徒)中先生、脈診って本当に出来るんでしょうか?脈状診ならまだしも、六部定位脈診なんてことが本当に可能なのでしょうか?科学的に考えてありえないと思うのですが。
中先生)確かに現代西洋医学からすれば、脈というものは心臓の拍動だから、そこから六蔵六腑の虚実を診るということは不思議なことであると思えるかもしれないが、西洋医学的に解剖生理的に筋肉や神経 . . . 本文を読む
(陰陽論とその学び方についての生徒と先生の対話)
生徒)陰陽論とは何でしょうか?それはどのように学べば良いのでしょうか?
先生)君はどう思うのか?
生徒)世界のあらゆる物事を、陰(静的なもの、弱いもの......)と陽(動的なもの、強いもの......)とに分けて行く、分けて捉える。のが陰陽論で、その学びは、まずは教科書等にある陰陽分類の一覧表を覚えて、陰と陽のイメージを描いて、あ . . . 本文を読む
(大先生は鍼灸初心者である生徒に片手挿管を学ぶ現代的意義を説く)
生徒)大先生!片手挿管って本当はどんな意味があるんでしょうか?中先生は片手挿管には現代ではあまり意味がない、出来てもいいけど出来なければ出来ないでどうにかなる。と言われるし、小先生は片手挿管は鍼灸の文化遺産だとか、現実問題として施術コストの問題として、何よりも進級テストに絶対必要だから、と言われるのですが......。
大先生) . . . 本文を読む
(生徒と小先生との対話の件を聞いた片手挿管不要論の中先生、と実技担当の小先生の対話)
小先生)中先生困りますよ!生徒に片手挿管に大して意味が無いなんて言われては。
中先生)小先生にそんな事言っちゃいましたか!?オフレコだよ!と言っといたのになあ(笑)
小先生)言っちゃいましたか、も無いもんです。
困りますよ、片手挿管は実技の進級テストの課題でもあるし、生徒にしっかりと練習させなくちゃあなら . . . 本文を読む
(初めての実技授業後、数日経っての片手挿管の難しさに根を上げた鍼灸初心者と小先生との対話)
生徒)先生!片手挿管って何のためにやるんですか?ディスポ鍼が当たり前の現代では大して意味が無い!と聞いたのですが?
小先生)誰がそんなことを?確かに、ディスポ鍼は最初から鍼が鍼管に入った状態だから、片手挿管を行なわずに施術することも可能だけれども......逆に、片手挿管が出来なければ出来ない施術の方法 . . . 本文を読む
(「鍼灸問答」という形で、自身の鍼灸・東洋医学に関わる像=アタマの中のイメージを文章化していくとともに、自身の認識力=対象の構造に分け入る実力=論理能力を培っていこうと取り組み始めたのではあるが、一歩は踏み出したものの次の一歩が出せないままに来ている。
もう後一月ほどで「令和」という新しい時代の幕開けとなる、と考えるとそれまでになんとしても「鍼灸問答」を軌道に乗せたいとの思いがある。
それゆえ . . . 本文を読む