緑ヶ丘・第二幼稚園 最新かがやき日記

緑ヶ丘・第二幼稚園のかがやく子ども達の成長を見守り、親も教師も園長も子どもに負けず共に成長する日々を綴った日記です。

新水巻病院小児科部長白川嘉継先生の講演会

2007年01月29日 21時58分21秒 | 研修会・セミナー

平成19年1月29日(月)昨日は、雨または大雪の天気予報だったが、

全然降らずに朝はのち午後からは、陽が射してきました。

気温10℃。明日は天気が良くなりそう。ホッとしました。

昨日、戸畑区のウェル戸畑2階多目的ホールで、

日本公文 北九州事務局主催 新春教育講演会がありました。

『子どもの発達のために大切な乳幼児期からの親子のきずなづくり』

という演題で、ご講師は福岡新水巻病院 小児科部長 白川嘉継先生でした。

1959年生まれ…新生児学が専門領域。

自己紹介からテンポ良くスタート

長年、産業医科大学付属病院新生児集中治療室医長として、

主に、1000g未満の超低出生体重児と呼ばれる未熟児

身体面、精神面、知育面の総合的なケアを担当。

2006年9月より、福岡新水巻病院 小児科部長として、 

医療、療育、教育の連携により、

子どもと母親の健全な成長に貢献する新たな小児医療(母子科)を推進なさる。

その間19,000家族との出会い。

親子の関係性を作ることが大事

と非常に多くの臨床例をあげて訴える。白川先生のお話は、毎回反響を呼ぶ。

まず、今マスコミで話題の例から、「給食費を支払わない親」の問題。

給食費を支払わないで平気な親は、実は、子どもの時に自分の親からお金を使われていない。

だから、高級車やブランド品で身を飾っても、子どもの食べた物に代価を支払わなくても平然としていられる。

つまり→子育てには、まず養育費がかかることを自覚していない。→連鎖する。

同じように、新生児室に赤ちゃんに面会に来ない親がふえた問題。これは、

子どもの時に親から向き合って育てられていない親子関係だった→連鎖する

次に、出産後の親が赤ちゃんに対してどう思っているかの調査で

  ・生まれた子どもが可愛いと直ぐに思う     30%

  ・子どもが可愛いと思えるまでに努力がいる  70%

    その中でも、子どもを拒否し、子育てを負担に思う 10%                  (殴られて育った、暴力的な性行為で早産、つらい青少年期の経験がある等)

また、最近の

私も随分前から「子育て教室」でも、非常に気になっていたのですが)

授乳時の気になる状況は、

母乳の場合、7割の母親の目線が赤ちゃんの目線と合っていない。

ミルクを与える場合は、8割は、ほ乳瓶の方に目線が行き、

赤ちゃんの方には目線が合っていない。

目線が合うことで、脳に発達の刺激が行く。

基本的な信頼感の獲得→ゆたかな感情を獲得→高度な行動の獲得へとつながる大事な時間なのです。

お母さんが幸せなとき 赤ちゃんはほほえむ。

赤ちゃんがほほえむとき お母さんに至福の時が訪れる。

互いの瞳に写る自らの姿を見つめ 必要とされること、信じることを知る。

次の話題は、発達(・発汗作用…)と成長(身長・体重)について…

ものを言わない胎児は、母の胎内で母に命をゆだね出生の日を待つ。

母体に、ストレスがあると、男子胎児の脳が女性化する。

母親の乳輪から出てくるフェロモンで、乳房に新生児は本能的に寄せられる。

ミラー細胞 1ヶ月検診で自閉症が判断がつくようになった。

にこにこ顔の母親→赤ちゃんの脳中に「オキシトシン」が、産生される。

すると、オキシトシンがあると、将来、親になったときに、赤ちゃんを抱っこできる親になれる。

霊長類は、「長生きする性」が、子育てをする。

人間の場合は、育児をする性は女性。

従って女性は「長生きをする性」であるからその重要な役割を担っている。

以下の霊長類はオスが長生きをする。

ヨザル、テイティモンキー・フクロテナガザル・ゲルディモンキー

は、オスが赤ん坊を育てる。その間、メスがエサを運ぶ。

だから、人間の場合には…母親が安心して子育てに専心できるように

経済的な不安や精神的な不安が無いようにサポートするのが父親の役目

また

時々、泣く子を見ると、あやすこともせず不安がる母親がいる。

泣き出すと、パニックってしまう母親は、赤ちゃんの時に放置されていた

母親自身 の悲しい記憶が,呼び覚まされ,不憫さが高まる。

それで、パニックに陥ったりする。…

次に幼児の描いた絵を比べてみると、洋の東西を問わず、

女の子は人物に興味を持ち中央に描く

男の子は、動く物(乗り物や動物)に興味がある。

副腎性器形成ホルモン脳が女性化するか男性化するかを決める

男性の脳と女性の脳は違う。

脳梁砲台部やセンコンレン部が、男性の脳は小さい。女性のは大きい。

だから悲しいことをイメージする能力が違う。

女性は、すぐに脳に反応が現れ、涙が出る。

また、視覚に関わる細やかな反応があり、小さな表情の変化にも直ぐに気づく。

言葉で上手に表現できる。協調性がある。

だから、女性はおしゃべりをしているうちに気分がよくなりオキシトシンが産生する

(だが、男性は、逆に、しゃべっているとその内ストレスがたまる場合もある。)

オキシトシンがあると悲しいことを想像し考えることが出来て涙が出る。

本来、男性は、狩猟、女性は果実などの採取をする生活。

母親と子どもの結びつきは、においとフェロモンの働きによるので、父親よりも絆が固い。

フェロモンの働きの例として知られているのは

同じ寮で生活する女性の生理の周期が一致する。(ドミトリー効果

また、赤ちゃんは、羊水に一番反応する。

羊水の独特の生臭いにおいに吸い寄せられる。

次に、母親の乳房のフェロモンに反応する。

そして、母乳中に分泌されているオキシトシンは

僅か1.0±1.4μU/mlの血中濃度だが、

親子の信頼関係の構築には大事な働きをしている。

だから、そういう意味合いでも、ミルクよりも「母乳育児」がおすすめなのです。

オキシトシンは、愛の香り、信頼の香り。

成人58人が投資ゲームで実験した。

オキシトシンをスプレーで吹き付けたグループは、

相手を信頼しやすいので、どんどん思い切って投資する。

これを悪用すると大変なので、一般には手に入りにくい。

オキシトシンは、性行為でも分泌される。

だから、夫婦が長く一緒に連れ添っていられるとのこと。

心地よい感覚を与えられた乳児は、脳内でオキシトシンが分泌される。

だから、生後6ヶ月位から読み聞かせが、大変良い。

よみきかせをする親の方にも10分位経つと、

イライラやストレスが消えて心が安定する。

いとうづの森のチンパンジー「キララの赤ちゃん」の様子の観察から~

母親が側にいないと、次第に赤ちゃんの額の体温が下がる。

しょっちゅう泣かせたり、放置したりすると、成長ホルモンが伸びない。

1歳半位まで、ストレスホルモン副腎皮質ホルモンが作用。

母親がそばを離れていると不安状態から泣く。

すると、グルココルチコイド受容体のmRNAが脳内に増える。

あまりに長く放置され構われないと、そのうち 

もはや 泣かずに、じーっとして動かなくなる、

すると、グルココルチコイド受容体のmRNAが増えない。

そして、恐ろしいことに…心身の発達に障害が。

基本的には、

飛び出すな! 車は急には止まらない。

ではなく

飛び出すぞ!子どもは急には止まらない。

という考え方で、常に子どもを中心に考えましょう。

いかに乳幼児期からの親子のきずなづくりが、

一生を大きく左右するかよく認識出来たことでしょう。

皆様、熱心に学び、早速、

しっかり抱っこし 視線を合わせた子育てに

励んで頂けることでしょう。

もっともっと多くの

今から子育てする妊産婦の方々や、ご家族

幼稚園・保育園の先生や

子育て中の保護者の皆様に

是非 聴いていただきたい密度の濃い内容でした。

 


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 赤ちゃんにこにこroomと... | トップ | 第189回『子育て教室』乳... »
最新の画像もっと見る

研修会・セミナー」カテゴリの最新記事