今日の柑橘 (山本柑橘園)
イヨカン (宮内イヨカン)
イヨカンは山口県で生まれました。1887年、山口県阿武郡東分村の中村正路氏の園で見つかりました。6年後に「穴戸みかん」と名付けられましたが、愛媛県松山市の三好保徳氏がそのみかんの優秀性に目を付け苗木を購入し松山で自ら増殖普及に努めました。その結果愛媛県でたくさん作られるようになり、地域特産として世間で「伊予みかん」と呼ばれるようになりました。その後愛媛県産の普通のみかんと呼び名が混同されるので、「イヨカン」と呼ぶようになりました。山口県では穴戸みかんと呼んでいましたが市場で伊予みかんの名がが通るようになり本家の山口県でも伊予みかんと呼ばざるを得なくなりました。現在作られているイヨカンは1952年に松山市の宮内正義氏の園で発見された新系統の品種「宮内イヨカン」です。種が少なく減酸が早くて甘く感じられ従来のイヨカンより優れていました。昭和50年台からしばらくは優れた柑橘として市場でももてはやされましたが清見・デコポンなどの新品種が出始めるとだんだん首位の座を譲らざるを得なくなり、現在は生産量もかなり落ちています。