今日の柑橘 (山本柑橘園)
河内晩柑
文旦の血をひく自然雑種で、約100年前に熊本県河内芳野村の西村徳次氏の裏庭で発生したものです。大きさは500g前後で果汁は多く種も少なくて食べやすく、日本のグレープフルーツと呼ばれることもあります。熊本の河内町の一帯と天草で主に作られていたが現在では愛媛県で最も多く作られるようになっています。5月から6月・7月ごろが最もおいしいので夏の柑橘として最近人気が上昇しています。ただ困ったことに各産地が地域特産となるようにそれぞれが異なった名前で販売しているので消費者にとって大変紛らわしくて全く同じ品種なのに別物と勘違いしていることもあります。河内晩柑のことを天草では天草晩柑と呼び愛媛では美生柑とか宇和ゴールドとかジューシーオレンジなどの呼び名が使われ、高知県では特産の文旦にちなんで夏文旦と呼ばれています。愛称を付けることは悪いことではありませんが、物の名前は一つにしたいものです。私も河内晩柑の名前を初めて知った時には大阪の河内地方で生まれた柑橘と勘違いをしていました。河内音頭の河内の方が熊本の河内よりも有名ですよね。山本柑橘園では次々と新品種が生まれていますが名前を付ける時に地域名は入れないよう気を付けています。地域名が入っているとその他の産地では面白くありません。それでこの河内晩柑のようなことになるのでしょう。