文章たっぷりコース第5期が始まりました。
まず、皆さんがなぜこのクラスを受講しようと思ったかを含めた自己紹介をし、
高科先生の自己紹介の中では出版されたばかりの『プレゼントはひとつ』(文:高科正信/絵:コマツシンヤ 福音館こどものとも年中向き2023年12月号)
と、前作『はしを わたって しらない まちへ』(文:高科正信/絵:中川洋典 福音館こどものとも2017年10月号)についての話をしてくださいました。
この講座では、「、」「。」の打ち方から原稿用紙の使い方まで、文章の書き方をていねいに教えてくださるそうです。
この日は、『中高生のための文章読本 ー 読む力をつけるノンフィクション選』(編:澤田英輔・仲島ひとみ・森大徳 筑摩書房)から、
長田弘の詩「世界は一冊の本」という詩と、序文を紹介してくださいました。
この詩は『ポケット詩集』(編:田中和雄 童話屋)に収められた作品です。
『ポケット詩集』からは、茨木のり子の「聴く力」も紹介してくだいました。
今から文章の書き方を学ぼうとする皆さんの心に、届いたでしょうか。
このように、さまざまな書籍の中の文章を取り上げながら「書くとはどういうことか」「いかに書くか」について、
先生ができるだけのことを伝えていこう、書いていくときに本当に必要なものは何かを話していこうと思う、とおっしゃいます。
せっかく受講するのだから、できるだけたくさんのことを手に入れてほしいとのことでした。
そして、今期のテキスト『60歳からの文章入門』(著:近藤勝重 幻冬舎新書686)を皆で音読していきました。
「、」「。」に気をつけながら読んでいくと、作者の意図や意味、リズムや文体が分かり、自分にも身につくようになります。
この日は
●言葉と文字と文章と
・言葉を選択する力
●「思うこと」より「思い出すこと」を書く
・作文10カ条
・文章は最高の自己表現
・体験は「気づき/ひらめき」の素 のところを見ていきました。
とくに作者による「作文10カ条」のところは、これから文章を書くときに気をつけていきたいことです。
書くテーマと自分の間にある程度の距離をとり、自己を対象化して、主観性だけでなく客観性を持たせることが重要だとか
文章を書くということは、たとえ日記であっても誰かに読まれることを前提に書くべきだとか
皆が次々と質問して、授業が盛り上がりました。
高科先生によれば、人類が誕生して他の人に何か(感情・情動)を自分ではない誰かに伝えたいときに、言葉が生まれたのではないか。
最初は表情や身振り手振りや仕草やうめき声だったでしょうが、まず何かを表す言葉ができ、次に洞窟などに絵言葉を描いて残し、そしてその地方独自の文字ができ、それをつなげて意味の分かるものにして言ったのが、文章であろう、とのことでした。
休憩をはさんで、後半は「書く」ことについて学んでいきました。
まずは、これから毎回でる課題を書いていくときに使う原稿用紙の使い方の確認です。
①原稿用紙は縦書きを使う。サイズやメーカーは問わないが、1枚400字詰めのものを選ぶ。
②題名は2行目の3〜4マス目くらいから書き始める。
短いものは行内でバランスを取るが、題名が長くて2行にわたるとき2行目は1行目より少し下から書く。
③作者名は4行目の下の方に書く。②の題名が2行にわたっていても、作者名は4行目固定で。
④本文は6行目から始め、書き出しは1マスあけて2マス目から書いていく。
⑤1枚に一つノンブル(ページ数)を書いておくと、入れ替わったときに気づきやすい。
⑥ 文末の 、 。が次の行にわたるときは、前の行の欄外にぶら下げる。
⑦「」は一文字と数え、行頭にくるときは段落が変わるときでも1マスあけなくても良い。
⑧撥音(っ・ゃ 等)・長音(ー)は行頭になってもかまわない。
⑨数字や外国語は基本は縦書きだが、文字を寝かせた横書きでもかまわない。
⑩会話文の「」中には文末に。はつけない。
⑪「」『』()などの使い方に気を配る。
⑫以上の表記上の約束事は、一つの文章の中では統一する。
⑬公募などでどこかに提出する原稿は、上に1枚題名と作者名の書かれた別紙をつけるのが礼儀である。
等々、たくさんの約束事がありました。
文章を書くとき、手元に辞書の他に各新聞社などが出している「用字用語辞典」の類いがあれば
何か書いていて迷ったときにすぐ確認できて、便利です。
そして、今回の課題です。
上記にあるような約束事を守り、「あるく」をテーマにしてエッセイ・創作・詩など、自由な内容・長さの文章を書いてください。
※ この教室での課題を提出する際は、上に1枚つけなくても、本文が書いてあるページからで結構です。
実際に歩いてみて、または以前歩いたときに感じたことや考えたことなど、「自分にしか書けないこと」を思い浮かべながら書いてください。
次の授業は11月25日(土)です。皆さん、頑張ってくださいね!